イギリス王室おうしつを離脱りだつしたヘンリー王子おうじを、卒業そつぎょうした陸軍士官学校りくぐんしかんがっこうの記念本きねんほんが取とり上あげず話題わだいとなっています。自伝じでんの中なかで殺害さつがいしたタリバン兵へいを「チェスの駒こま」と表現ひょうげんしたことなどが影響えいきょうしたものとみられます。

　話題わだいになっているのは、去年きょねん4月がつに出版しゅっぱんされたイギリス王立陸軍士官学校おうりつりくぐんしかんがっこうの著名ちょめいな卒業生そつぎょうせいを紹介しょうかいする記念本きねんほん「They　Also　Served」です。

　この本ほんではウィリアム皇太子こうたいしをはじめ、チャーチル元首相もとしゅしょう、歌手かしゅのジェームス・ブラント、ブルネイのボルキア国王こくおうら著名ちょめいな卒業生そつぎょうせい200人にんの功績こうせきなどが紹介しょうかいされています。

　しかし、ヘンリー王子おうじは2006年ねんに卒業そつぎょうし、およそ10年間軍務ねんかんぐんむに就ついたにもかかわらず、個別こべつでは取とり上あげられず、ウィリアム皇太子こうたいしの項目こうもくにわずかに言及げんきゅうされるにとどまっています。

　ヘンリー王子おうじは攻撃こうげきヘリコプターのパイロットとしてアフガニスタンに2度派遣どはけんされましたが、去年発表きょねんはっぴょうした自伝じでん「スペア」の中なかでタリバンの戦闘員せんとういん25人にんを殺害さつがいしたことを告白こくはくし、「彼かれらはチェスの駒こま」などとつづっていました。

　今回こんかい、記念本きねんほんに取とり上あげられなかったことについて、アフガニスタン駐留軍ちゅうりゅうぐんの元司令官もとしれいかんは「ヘンリー王子おうじが王室おうしつファミリーと不仲ふなかなことや、アフガニスタンを巡めぐる発言はつげんが組くみ合あわさった結果けっかだろう」とイギリスメディアにコメントしています。

　陸軍士官学校りくぐんしかんがっこうの担当者たんとうしゃはANNの取材しゅざいに対たいして「掲載けいさいされなかったからといって、その人物じんぶつの軍務ぐんむの重要性じゅうようせいや、軍ぐんや市民生活しみんせいかつへの貢献こうけんが減へるわけではない」とコメントしています。